この記事は、2025年7月に株式会社トロピコ代表 久保田友里恵(ゆりえもん)がXのスペースで配信した「トロピコ6周年感謝祭」の内容をまとめたものです。1期目から6期目までの出来事や取り組んできたこと、8月に7期目を迎えたトロピコがこれから目指す未来について紹介します。

【1期目】
メルマガ配信。同じ価値観の人が集まる
一人会社からの事業スタート
最初の一年間は、クライアントワークを中心に一人で仕事をこなしていました。当時の継続契約は2社。業務内容は、バックオフィス業務や電話対応、メール対応、データ入力などのオンライン秘書の仕事をしていました。
転機が訪れたのは、初めてのメルマガをリリースしたタイミングでした。
オンライン秘書に多くの人が興味を持っていた
2020年7月、ちょうど会社の1期目が終わるころに「オンライン秘書養成メルマガ(通称:ゆりえもんメルマガ)」をリリースしました。
自分がオンライン秘書になるまでに意識したことを詰め込んだ7日間のメルマガです。
メルマガをリリースしたものの、当時の私はインフルエンサーのような影響力がある人ではなかったので「知人が15人くらい登録してくれたらうれしいな」くらいの気持ちでした。
ところが、メルマガをリリースしたら、約1000人の方が登録してくれたのです。
コロナ禍で働き方を見直す人が急増していたという背景もあり、多くの方がオンライン秘書という働き方に興味を持ってくれたのです。
「強みがない」という悩みから見出した働き方
会社員時代、私は「これといった強みがない」「肩書きもない」「専門性がない」と悩んでいました。
広く浅くこなせるけれど、何かを極めたわけではない。まさに自分は器用貧乏だと感じていたのです。
オンライン秘書の仕事は、目の前の人のお困りごとを解決するのが仕事です。「強みがなくても、誰かのサポートが仕事になる」のです。
この気づきを発信したところ、多くの方から「私も器用貧乏で悩んでいました」「自分にはなにもないと思っていました」と共感の声が届きました。
同じ悩みを抱えている仲間が世の中にたくさんいると知り、嬉しく感じました。
【2期目】
オンライン秘書のためのオンラインサロン立ち上げ。
需要に供給が追い付かずトラブル発生
後輩育成とオンラインサロンの立ち上げ
法人2期目からは、後輩の育成、チーム化といった、仲間を増やすフェーズに移行しました。
メルマガで自分の価値観に共感してくれた人が集まり、その年の秋にオンライン秘書のための「おうち秘書サロン」を立ち上げることができました。
おかげで、いい人たちにたくさん出会い、多くの仲間を作ることができました。
同時に、経営者の方々から「オンライン秘書を紹介してほしい」という依頼が増え、需要に対して供給が追いついていない状況になりました。そのため、後輩育成が急務となったのです。
急成長と試練、そして学び
2期目は売上が前年比200%以上と事業が急拡大しました。しかし、よいことばかりではなくトラブルも発生しました。
振り返ると、トラブルを早い段階で経験できたことは良かったと感じています。まだひよっこ経営者のうちにリスクを知れたのはよい経験でした。商売をしていくとトラブルが起り得るのだと学びました。
今年(2025年)出版した『おうちではたらく おしごと図鑑』でも印刷や発送のトラブルがありましたが、2期目の経験があったからこそ冷静に対応できたと思っています。
会社が大きくなってからのトラブルは影響する範囲も大きくなります。だからこそ、早いうちにリスクを知ることができてよかったと感じています。
【3期目】
サポートメンバーが増えるも、うまく頼れず仕事を抱える
人に仕事を頼むことへの遠慮
3期目に入り、一番の悩みは、遠慮して仕事を頼めないことでした。
サロンメンバーやサポートしてくれる人が増えたのに、うまく頼れず結局、自分で手を動かしていました。
仕事を手伝ってもらいたいけど、みんな忙しそうだし、仕事をたくさん頼んでパンクさせたくない…という気持ちが強かったのです。
ちょっとしたことをお願いするときも「お手すきの際で構いませんので」と謝りながら頼んでいました。
また、当時は自分の思考に振り回されていました。他のクライアントに比べて、自分のことは後回しにされているのでは…と悲観してしまうこともありました。あの頃は、自分のことばかり考えていたような気がします。
乗り越えて経営者として成長
その悩みを乗り越えたことで、経営者として大きく成長できたと感じています。仕事は感情ではなく、もっと客観的に考え、仕組みで解決することが一番という考えに至りました。
世の中のうまくいっている会社は、必ず仕組み化を進めており、感情で仕事をすることはありません。
「遠慮して仕事が依頼できない…」といった小さなことで悩む社長はいないはずです。3期目までの私は、まさにそんな小さいことで悩んでいました。
今思えば、周りはみんなよい人で、たくさん助けてもらっていたのに、私が素直に向き合えていなかっただけでした。
【4期目】
正社員雇用。経営者としての責任感が増す
正社員雇用の決断
3期目以降、事業は順調に成長を続けましたが、常に複数のことを同時並行で進める必要がありました。
自分一人で回すには限界があり「自分と同じくらい丸一日、会社のことを考えてくれる人がほしい」と感じていました。正社員であれば会社のことに集中してもらえる。新しいことに挑戦するためにも、4期目に正社員雇用へと踏み切りることにしたのです。
第一号の社員は、初期から支えてくれた信頼できるビジネスパートナーでした。
業務内容はもちろん、私の性格もよく理解してくれていて、これまでの付き合いから、今後も一緒に仕事をしていきたいと思ったのです。
正社員を迎えて変化したことと責任感
正社員を迎えたことで、ずっと机に張り付く必要がなくなり、新しい活動を始められるようになりました。
引継ぎや育成には時間を要しましたが、一度仕組みが回り始めれば、ほぼ手放しで業務を任せられるようになりました。
社員を雇うことで社会保険料など、コストは増加しますが、それを上回るメリットを実感しています。
また、社員を迎えることで、本当の意味で「会社」になったという実感が湧きました。社員やその家族を困らせないように、経営者としての責任感が一層増したと感じています。
【5期目】
適材適所のチームづくり。得意な人に得意なことを任せる
仕組み化を意識した5期目
社員が入社し、業務委託で協力してくれる方たちも増えてきたことで「仕組み化をしていかないといけない」と考えるようになりました。
毎月50社以上のクライアントとやり取りをし、業務対応をしてくれる人や本社業務を担う人を合わせると、100人以上の人に仕事をお願いしている状況となり、アナログでの管理では限界がきていました。
請求書だけでも毎月150枚以上にもなり、データベース化しないと管理が難しく、組織としての仕組み化に目を向けるようになりました。
適材適所型のチーム編成へ
また、これまでは大事な仕事は自分をよく理解してくれている人にばかり頼んでいました。「私のことは全部把握して欲しい、まんべんなく全部見渡して欲しい」と思っていたのです。
明確な役割分担はなく、同じ人に仕事を集中させすぎていたのです。しかし、これには限界があると気づきました。
そこから、これまで得意ではないのに任せてしまっていた作業は、切り離して他の人にお願いするようにしました。
その人の得意なことだけを任せる、適材適所型のチームづくり、組織編成へと切り替えることにしたのです。
この方針はトロピコに関わるすべての人に適用しました。複数の業務にまたがっていた役割は、コミュニティ運営に携わる人、講座運営に携わる人というように完全に切り分けることにしたのです。
すると、驚くほどスムーズに仕事が進むようになりました。適材適所型のチームづくり、組織編成に切り替えたことでこれまで悩んでいたことが解消されたのです。
この経験から、得意なことを得意な人にお願いする「適材適所」の考え方を広げていきたいと思うようになりました。
チームに任せて生まれた新しい講座
5期目から6期目にかけては、新しく「右腕になれる講座」をリリース。その後「ゆりえもん特別講座」と名前を変え講座を開催しました。
これまでの講座はすべて私が原稿を考えていましたが、「右腕になれる講座」は、企画・運営チームに「こういう講座を作りたい」という方針やビジョンを伝え、作ってもらったものです。
これまでは、自分でないとコンテンツは作れないという思い込みがあり、自分の考えを完全に再現してくれる人はなかなかいないと感じていたのですが、「右腕になれる講座」を通じて、チームや組織での仕組み化が形になっていくのを実感しました。
チームや組織の仕組み化
特に「おうち秘書サロン」では、コミュニティマネージャーのおかげで、仕組み化が進み、運営が非常にスムーズになりました。
「おうち秘書サロン」は、3か月ごとに運営スタッフを入れ替える体制ですが、初めてのスタッフになった人でも円滑に動ける環境が整っています。
サロンオーナーである私に代わり、コミュニティマネージャーが運営方針をスタッフに共有し、それをスタッフがサロン全体に浸透させていく、その文化がずっと受け継がれているのです。その結果、朝活や定期イベントが継続され、新しいメンバーも安心して参加できる環境ができています。
コミュニティマネージャーや運営スタッフのおかげで、サロンが継続する仕組みができました。こうして、安心して任せられる人がいるからこそ、新しい挑戦ができていると感じています。
【6期目】
社員を増やし、新事業へ挑戦!
社員を迎えた6期目のスタート
この頃から、会社として事業を拡大させるための動きをしていきたいと考えるようになり、営業経験を持つ仲間を社員に迎え入れました。
得意なコミュニケーション力を活かして、マッチング事業の窓口業務を担当してくれています。これまで時間がとれなくて難しかった、よりきめ細かなクライアント対応ができるようになりました。
新規事業への挑戦
6期目では、法人向けの新規事業をリリースしました。しかし想像以上に大変で、当初の期待に反してうまくいかなかったのです。思った以上に営業を開始するまでに時間がかかり、売上が立たない中で人件費や広告宣伝費など、コストだけがかかってしまいました。
失敗からの大きな学び
当初は販売開始すれば売れるだろうと見込んでいましたが、販売を開始してみると、経営者は想像以上にシビアであり、本当に必要と感じてもらえなければ、予算があったとしても購入には至らないということを痛感しました。
事業を立ち上げ、商品を売る経験をしたからこそ、競合調査や早い段階でのテストマーケティングの重要性など、次の計画を進めるための視点を得ることができました。
これまで、全てが順調に進んできたわけではありません。しかし、失敗も含めて仕事は楽しいと感じています。
この失敗を次の活動の原動力にするくらいの気持ちがなければ、事業を続けることはできません。
今は、この経験を来期に向けて活かしていこうと前を向いています。
6期目は法人・個人向け事業ともに、試行錯誤が続きましたが、大きな学びがあった一年でもありました。
【7期目へ】
当社の強みをフランチャイズ化

企業や学生向け講師業を本格化
今後は、企業内研修のほか、学生向けに授業や講義をしていきたいと考えています。
「オーナーシップを持って仕事をする」「適材適所で仕事をする」という考え方は、会社員や管理職の方にこそ身につけてほしい考え方です。
人手不足で悩む中小企業や小規模事業者の経営者は少なくありません。
適切な仕事の振り方やリソースの活かし方を知ることで、仕事のパフォーマンスは向上します。これが結果的に人手不足の解消にもつながるのではないかと考えています。
オンライン秘書業界に限らず、サラリーマンやフリーランス、経営者、働くすべての人が、それぞれの能力を発揮できる社会にしたい。
今後は、誰もが仕事を心から楽しみ、能力を最大限に発揮できるように会社として、適材適所で一人ひとりが自分の能力を発揮できる社会をつくっていきたいと考えています。
ノウハウを体系化し、フランチャイズ展開へ
講師業以外に、やっていきたい事業があります。
これまで商品やサービスをリリースしてきましたが、新たにやってみたいのが「フランチャイズ展開」です。
フランチャイズと言っても店舗型のビジネスではなく、オンラインビジネスのフランチャイズ化を考えています。
これまで株式会社トロピコでは、「コミュニティ」「講座」「お仕事マッチング」に取り組んできました。
コミュニティで仲間を集め、 講座でスキルアップし、 その人に合ったお仕事をマッチングする。 何年も前からこの循環を作ることができているのは、当社の強みです。
会社を設立した時と比べると、オンライン秘書業界はかなり拡大してきました。
ただ、色々なところから聞く話では、コミュニティで交流や勉強会があっても、本格的にレベルアップできる育成の仕組みや案件の紹介がない。
講座で学んでも結局クラウドソーシングサイトで応募したり、営業する必要があるなど、案件の紹介まではしていないところが多いようなのです。
そこで、これまでトロピコが何年もかけて培ってきた「コミュニティ」×「講座」×「お仕事マッチング」のノウハウを体系化し、同じように人材育成しながら仕事を回していきたいと考えている小規模経営者の方にフランチャイズオーナーとして加盟していただく。
そうすることで、たくさんの人が在宅ワークで、自分に合った仕事をできる環境が広がっていくと考えています。
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画像制作・記事構成:ひいさん