今回の記事は、『おうちではたらくおしごと図鑑』のクラウドファンディングにご支援いただき「紹介記事」のリターンを選ばれた方の特別インタビューです。ご自身の事業に対する思いやこれまでの経験、挫折を乗り越えられた方法などをお聞きしています。
ゆり~さん/共感型秘書
大学卒業後、商社で貿易事務の業務に従事、チームのマネジメントを経験。30代半ばで、キャリアアップを支援するオンラインコミュニティに入会。その後、女性起業家のサポート業務を中心にオンライン秘書として活動中。
事務経験を活かしてオンライン秘書デビュー
ーー現在の仕事について教えてください。
新卒で商社に入社して、貿易事務の仕事を10年以上続けています。海外の取引先と、商品の価格や納期の交渉、輸入の手配などを英文メールでやり取りする仕事です。20代後半から役職をいただき、少人数のチームをマネジメントしてきました。
育休中の現在は、1歳の男の子を子育てしながら、オンライン秘書として女性起業家のコミュニティ運営をサポートしています。活発に動きまわる子どもに手を焼きながらも、在宅ワークのスキルアップを重ねる日々はとても充実していますね。
ーーオンライン秘書を始めたきっかけはなんですか?
2021年に友人から誘いを受けて、女性起業家の吉武麻子さんが主催しているオンライン朝活に参加しました。吉武さんの活動に触れる中で、ミドル世代のキャリア支援を行う「ミアビータ※」代表の中安加織さんを知ったんです。
(※ミアビータ…自分らしい働き方や生き方を支援するキャリア創造サービス)
“40代から人生を変える”というミアビータのコンセプトに共感して、サービスの利用を始めました。さまざまなキャリアや価値観を持つ方々と、コミュケーションが取れる楽しさを感じていたところ、「運営メンバーをやってみませんか?」とお声がけいただいたんです。
最初は連絡事項の発信や簡単な画像制作から担当して、講座運営のサポートやSNSの運用代行、ワークショップの事務局対応など、少しずつ活動の幅が広がっていきました。
貿易事務の仕事は好きですが、子どもが生まれてから、やりたいことに割ける時間が限られてきたこともあり、働き方に悩んでいました。転職するのではなく、オンライン秘書として働く道もある。一緒に仕事をしたい、応援したいと思う人に、自分の限られたリソースを注ぎたいと感じるようになり、オンライン秘書の活動を増やしていきました。
自己理解を深めることで、クライアントに価値提供できる
ーーオンライン秘書の活動で苦労したことはありますか?
オンライン秘書の活動を始めた頃は、個人で働く難しさを感じていました。何をすればクライアントに満足していただけるのかわからなかったんです。
会社員としては、与えられた仕事をこなす他、自分の想像できる範囲で周りの業務をサポートしてきました。ですが、オンライン秘書の活動を始めてからは、クライアントの課題を自分事として捉え、求められている仕事を見つける必要があると気づいたんです。
私ができる価値提供は何なのか、クライアントの売上や利益に貢献するには何をすべきか考え、迷走していました。
ーーどうやって壁を乗り越えたのでしょうか?
クライアントに価値提供するうえで、自分の強みを理解しておくことは大事だと考え、ストレングスファインダー※のコーチと話す機会を設けました。会社でどんな風に仕事をしているかコーチに話しながら、私にどんな資質があるのか客観的に見ていただいたんです。
(※ストレングスファインダー…才能診断ツール )
たとえば、職場の会議ではみんなが疑問に思っていそうなことを、私が代弁して質問するというエピソードを話したところ、コーチはこう伝えてくれました。「あなたは“共感性”が高い。そんな行動ができる方は少ないですよ」。コーチの言葉に、自然とやってきた自分の行動は、強みだったのだと気がつきましたね。
また、2023年にはミアビータで募集していた、「在宅で働く・活躍できるスキルが身につく!オンライン秘書講座」に参加しました。おうち秘書サロン※オーナーのゆりえもんさんが講師として指導してくださり、オンライン秘書に必要なマインドや仕事の進め方を学びました。その後は、ゆりえもんさんの「在宅ワーク実践プログラム」にも申込みましたね。仕事で自分の強みをどう活かしていくか、マンツーマンで具体的にアドバイスいただきました。
(※おうち秘書サロン…オンライン秘書育成コミュニティ)
そういった専門家の意見をお聞きして自己理解を深め、共感型秘書というキャッチフレーズを打ち出していきました。コミュニティサポート業務では、メンバーの表情を見て声をかけたり、コメントを入れたりと、共感力を活かした活動に自信を持って取り組めています。
サポートするコミュニティメンバーの声が原動力になる
ーーオンライン秘書の活動で、どんなときにやりがいを感じますか?
起業家や運営をサポートをしているコミュニティのメンバーから、うれしい言葉をいただいたときにやりがいを感じます。
以前にミアビータの朝活で、メンバーの取り組みやメッセージを読み上げる担当をしていました。そのときに、「一人ひとりのチャットに寄り添ってコメントしてくれるのがうれしい」 「ゆり~さんの声かけが、行動への後押しになる」といった予想外のお言葉をいただいたんです。
私自身も、オンラインツールの操作に不慣れで、起業・複業の知識がないゼロの地点からスタートしました。未経験で不安な気持ちがわかるからこそ、運営側になった今、どんなことをしたら他のメンバーが喜ぶのか、考えながらサポート業務を行っています。そういった部分も、共感性が働いているのかもしれませんね。私の言動が、メンバーの励みになれていると知り、寄り添ってサポートしたいという意欲がさらに増しました。
他にも、「勝手に応援団」と名乗り、朝活メンバーの取り組みをInstagramのリールで紹介したことがあります。仲良くなった朝活仲間が、オンライン料理教室を主催されたので、参加してよかった点や感想をまとめてリールでシェアしました。
とくに頼まれた訳ではなく、「頑張る人のためになればいいな」という気持ちで自然と行動していましたね。結果的に主催者の方にはとても喜んでもらえたので、私もうれしかったです。
また、今年からイベントレポートなどのライティングにも挑戦しています。未経験ですが、読み手を意識して文章を作成したところ、想像以上に好評でした。お褒めの言葉をいただいたときは、期待に応えられた喜びを感じましたね。
仕事と育児を両立できるのは、家族や地域の支援があるからこそ
ーー仕事と子育ての両立で工夫されていることはありますか?
あらゆる方面で人に頼っていますね。たとえば家事は、料理好きの夫が買い物をして作り置きするなど、料理全般を進んでやってくれています。育児では、実家の父が週に2日ほど家に来て息子の面倒を見てくれるので、「じいじシッター」と愛称をつけて頼りにしています。
最近は、近くの保育園で「こども誰でも通園制度」の試験運用が始まったので、週に1回2時間ほど子どもを預けています。その時間を活用して、近くのカフェでパソコン作業する日も多いですね。
家族のサポートや地域の子育て支援があるおかげで、育休中にオンライン秘書の活動ができているので本当に感謝しています。
子育てを楽しみながら、自分らしいキャリアを築いていきたい
ーー今後の展望についてお聞かせください。
大きな目標としては、会社員を卒業して、オンライン秘書の仕事をメインに活動していきたいと考えています。
私は、際限なく仕事に打ち込んでしまう性格なんですよね。育休が明けて会社に復帰すると、子育てと仕事の両立でキャパオーバーになってしまうのではないかと予想しています。
日々の生活にゆとりを持たせるためにも、オンライン秘書として独立し、自分で業務量を調整しながら働きたい。仕事と家事、育児のバランスを整えて、家族3人でいるときにふと感じる、「幸せだな」と和む時間を増やしたいと思っています。
また、オンライン秘書業務の一環として、共感性の強みを活かした“相談部屋”というメニューを構築中です。たとえば、新しいサービスの構築や展開で悩んでいる方が私に相談してくれた際に、その方に寄り添いながらも第三者目線の意見をお伝えする。そんなサービスを提供したいと考えています。
相談部屋では、勉強中のカバラ数秘術の知識も活用したいですね。カバラ数秘術は、生年月日の数字をもとに、本人の性格や資質、思考などを知ることができる占いです。相談者とコミュニケーションを取る際にも役立つので、さらに知識を深めて自分のサービスの裏メニューとして組み込みたいと思っています。
まずは自分の強みを知ること、あなたが輝ける仕事はきっとある
ーーオンライン秘書を目指す方へアドバイスをお願いします。
「自分には、強みや得意なんてない」「働き方を変えたいけど、転職するにはパワーがいる」と不安を感じていませんか?
オンライン秘書の仕事は幅広いので、あなたの好きや得意が活かせる仕事は存在します。
初めてのことに挑戦するのは、怖さもあると思います。ですが、一歩を踏み出すと、あなただからこそ叶えられる、オンライン秘書の働き方があります。
子育て中のお母さんも、キャリアを諦める必要はありません。私も、オンライン秘書として自分らしいキャリアを歩み始めたばかりです。一歩ずつ経験を積んで、自分が輝ける場所を探していきましょう!
貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
ゆり~さん